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第2部: 簡単に学び、使う

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ハングルは各界各層の人々に広がり使われながら、日常的な暮らしを維持するのに必要な文字として徐々に定着するようになりました。依然として漢字が支配的であり、公式的な文字でしたが、漢字を知っている人はもちろん、漢字を知らない人たちの間でもハングルは有用なコミュニケーションの手段となりました。

一般的な手紙、王に捧げる文章[上言]、物品の目録[物目]、手標(貸借などをする時にやりとりする証書)でハングルが直接的な意思疏通の手段として使われ、各種の生活用品に福を祈る文字や物の所有者を明らかにする断片的な情報を書く時にハングルが使われたりもしました。また、多様な遊び道具や民間信仰に関する物にもハングルが使われました。一方、当時の暮らしを反映する多様な文学作品やパンソリ(韓国の伝統的な民族芸能)の台本、時調唱(韓国の伝統的な定型詩に曲をつけて歌う)の楽譜もハングルで書かれた例が多数残っています。

1) ハングルで考えを伝える

ハングルが創製された後、それまで漢字がわからなくて自らの考えや感情を表現できなかった民衆が、彼らの日常を文字で記録できるようになりました。今も残っている数多くのハングルの古文書類は、そうした状況をよく説明してくれます。

民衆が不当な扱いを受け悔しい思いを王に訴える上言は、ハングルがあったからこそできたことでした。宣祖(朝鮮時代の第14代王)は民衆が読めるよう、ハングルで敎旨を下しもしました。また、民衆を儒教的に教化しようと国が作った『三綱行実図』もハングルで書かれて配布され、各種の商業的な取引や交換に使われた手標、物品の目録(物目)もハングルで作られました。遺言状や奴婢文書、族譜(家系図)のような多様なハングルの古文書が発見され、ハングルが各界各層を網羅した多くの人々に日常的なコミュニケーションの道具として定着していたことがわかります。

김씨부인한글상언

金氏夫人ハングル上言

정조어필한글편지첩

正祖御筆ハングル片紙帖

삼강행실도

三綱行實圖

2) 生活の中に定着

ハングルは日常生活で直接使う各種の生活用品にも使われていたことが確認できます。持ち主の名前と数量が書かれてある器、糸巻き、トクサル(餅のつけ型)、煙管など、生活の中で要な短い記録もハングルで残されました。
遊びのための時調カルタ、人々の願いや思いが込められているお守り、四柱(干支の占い)・縁結びなどにもハングルが使われました。人々の日常までハングルが広がり、定着していたことを示します。

3) ハングルで想像の世界を書く

朝鮮時代に文学を創作し鑑賞することは、漢字を使っていた両班(高麗、朝鮮時代の支配階層)だけができる特権のようなものでした。しかし、ハングルで小説を書き、詩歌が作れるようになるにつれ、一般民衆も両班に劣らない文学活動を楽しむことができるようになりました。

ハングルは創製の初期には、主に歌詞や時調のような詩歌文学の創作に使われましたが、時が経つにつれ小説や随筆のような散文文学にも徐々に広く使われるようになりました。また、『玉楼夢』ような既存の漢文の文学作品を韓国語にしてハングルで書いたり、口伝でのみ伝えられてきた民譚(民間説話)や伝説をそのままハングルで記録できるようになりました。

푸른 산도 절로절로, 4' 10"

4) ハングルで想像の世界を書く

ハングルは時調唱やパンソリ、タルチュム(仮面をかぶって行われる踊り、演劇)のような伝統的な民族芸能の台本にも使われました。主に歌の形で伝えられてきた高麗歌謡の歌詞をハングルで記録した『楽学軌範』、『楽章歌詞』を始めとし、時調唱の楽譜でもハングル歌詞が確認できます。 また、豊富な物語を含んでいるパンソリの一つ、沈清歌を元とした古典小説『沈清伝』もご覧になれます。